東京で初めての九条の碑完成
平和への願いこめ 輝く球状の碑
6月19日、九条の碑の除幕式、完成のつどいが開かれました。「九条の碑を建立する会」が活動を始めて約1年半。足立区内外の800を超える個人・団体から500万円以上の募金が寄せられ、医療法人財団健和会の協力で柳原リハビリテーション病院の隣接地に、直径1メートルのステンレス製の銀色に輝く球状の碑が完成しました。九条の碑は東京では初めて、国内では24番目です。
200名近い参加者の熱い視線が向けられるなか、白い幕が外され球状の碑が姿を現すと、大きな拍手が沸き起こりました。碑の頂部に数字の「9」、球面の周囲には憲法9条1・2項がピンク色の字体で刻まれています。鏡のような表面には碑文を読む人の姿が映り、「平和を自分のこととして考えるきっかけに」との思いが込められています。
除幕式で「九条の会」事務局長の小森陽一・東京大学名誉教授は、ロシアのウクライナ侵略に触れ「ロシアの東の隣国は日本。憲法で『戦争をしない』と決めた日本が『国際法違反の戦争をするな』と主張していくことが大事」と述べました。
除幕式に続く完成のつどいでは、国際ジャーナリストの伊藤千尋さんが「軍事力で国を守るということは国境線の内側は守るが、外側は殺しても良いということ。これでは戦争はなくならない。最初から戦争をしない世界をつくるための象徴となるのが九条の碑だ」と呼びかけました。橋本のぶよさん、中川游子さんの歌声、ギターやトランペットの演奏、碑の建立に関わった団体代表や地元の人たちから碑の完成を祝うスピーチがありました。
「建立する会」共同代表の大滝慶司・区労連議長は、「碑は完成したが、これで終わりではない。ロシアによるウクライナ侵略を口実にした九条改憲・憲法破壊の動きが強まっている今こそ、この九条の碑を大いに活用して、足立から、憲法九条の理念、平和を発信していこう」と訴えました。