2024.08.13 沖縄で、各地で隠ぺいされた米兵の性暴力事件に抗議する
2024年8月13日
内閣総理大臣 岸田文雄殿
外務大臣 上川陽子殿
平和・民主・住みよい日本をめざす足立の会(足立革新懇)
沖縄で、各地で隠ぺいされた米兵の性暴力事件に抗議する
昨年12月24日、米軍嘉手納基地所属の空軍兵が、16歳に満たない少女を誘拐し、性的暴行を加えました。日本政府は、事件直後に事実を把握し3月27日の起訴と同じ日に外務省がエマニュエル駐日米大使に「遺憾の意」を伝えていたにも拘わらず、沖縄県に6ヶ月に渡り情報を伝えなかったという事実も明らかとなりました。この間、12月28日に政府が辺野古新基地「設計変更申請」承認を代執行、4月10日に日米首脳会談、6月16日に沖縄県議会選挙などの重要日程が続き、6月23日の沖縄戦「慰霊の日」の追悼式には岸田首相、上川外相が出席しましたが、首相は事件について一言も触れず、謝罪もせず、“県民の負担軽減に全力をつくす”などと挨拶をしました。なぜ、政府は沖縄県に知らせなかったのかと問われると、沖縄の女性たちの抗議・要請に対し「被疑者は裁判中で“推定無罪”なので…」と外務省参事官は言い、「被害者のプライバシーを配慮」などとも言っていますが、外務省地位協定室は、「操作当局の配慮やプライバシーへの配慮を理由に通報しなくても良いという規定は『ない』と認めています。被害者には医療的精神的手厚いケアが中長期的に必要です。
さらに、報道によると、今年1月27日米海兵隊員が女性に性的暴行を加え緊急逮捕、5月26日米海兵隊員が女性に性的暴行を加え怪我を負わせたなど、2023年から今年5月まで米軍関係者の女性暴行事件は5件も発生、いずれも沖縄県には通報されていません。さらに、米兵の性暴力事件は青森、神奈川、山口、長崎などの各県でもあり、県に通知されていないこともわかりました。12月の事件が沖縄県に伝えられていたら防げていたかもしれません。
これほど多発する米軍人による性暴力は、日米地位協定では、米兵の公務外の事件で米側に身柄がある場合は、起訴まで身柄を日本側に引き渡さなくてもよいとする規定があり、殺人や性的暴行など凶悪犯罪に限り、起訴前に「好意的考慮」で身柄を引きわたすとなっていることに大きな要因があります。そのうえ、「著しく重要と考えられる事件」を除き、日本は第1次裁判権を行使しないとの「密約」もかわされ、起訴率は格段と低くなっています。そして、日本政府の対米従属、米主導による日米軍事一体化が、事件の遠因として指摘せざるを得ません。政府は「国民の安全を守るため」として違憲の軍備大増強をしていますが、米兵による女性への蹂躙を防ぐことが出来ないのならば、その政治の根本が問われます。政府をあげてこのような事件が二度と起こらないように厳しく要求すべきです。
足立革新懇は同時に、国内法の全面適用を内容とした地位協定の抜本改定、さらに、日本の主権と人権を侵害する米軍基地の撤去を強く求めます。